世界は愛にあふれている

ジョンレノンとオノヨーコ
ジョンレノンとオノヨーコ

今年の四月とかだったので、大分前ですが、

 

篠山紀信展〜写真力〜へ、行ってまいりました。

 

 

場所は、大阪梅田•グランフロント。まだ大阪在住だったころのお話。

 

海外に旅していたり、忙しかったりで、シャバへ出るのが久々です。

おまけに苦手な人ごみで、行ったことの無いグランフロント。

お洒落指数と新しさ指数が増えるのに比例して、行きづらさと緊張感は高まるのだ。

 

 

 

しょっぱなからやってしまいました。

 

消費税アップにより、若干変わった電車の料金に気をとられ、

 

改札口に入れてしまったんです。10円玉。切符と間違えて。

 

ああ と思ったときにはもう遅く、わずかな抵抗を伴いつつも吸い込まれてしまった

銅貨。もちろん機会はピコンピコーン

 

なんだなんだと首を伸ばす駅員さんに、

「あのー、間違えてお金入れてしまったんです。」

 

「えっ 何!?」と耳を疑う表情。

 聞き違いではありません、まさかとは思うかもですが、本当にお金いれちゃった

 のです。その旨説明すると、

 同情とも呆れとも狐につままれたとも、つかぬ表情のまま、親切な駅員さんは

 通してくれました。機械を開けて探し出してくれるらしく、

 いくら入れたかを聞かれ、金額を答えると、見つける前に、返してくれました。

 

 いたたまれぬ気持ちを抱えたまま電車に乗り込んだ私は、

 とんでもない嘘に気がつきました。入れたの10円玉なのに、100円って答えちゃ

 ったのです。なんと恐ろしい、潜在意識が90円をだまし取っていたのです、

 とてつもなく功名に。

 

 

 私はおそろしくなりました。自分の中に、こんな邪悪な面があっただな

 んて…おかげで、肝心の写真展を見るもうわの空。

 

 ひと息つこうと入った珈琲ショップでは、隣の席の女性が豪快にフラペチーノを

 ぶちまけて、片付けるのを手伝うはめに。

 

 

 ばちが当たったとしか思われません。いやいや、情けが世の中を

 めぐりめぐって

 いつか自分にかえるのだとすでば、朝駅員さんにかけられた情けを、

 今度は女性に返したのかもしれない。

 

 

 90円を返さねば、どうにもこうにも気がすまなくなって、

 

 改札で告げたのでした。一部始終を。駅員さんは別の方に変わっていたため、

 「改札に切符と間違えてお金入れた」の下りをやり直しです。

 赤っ恥もここまでくれば深紅ぐらいには染まっているでしょう。