静岡県立美術館〜夏目漱石の美術世界〜
へ行ったのは、お盆やすみのこと。
幼い頃から絵が好きで、美術にも詳しかった彼の文学の中には、多くの美術作品が登場します。
作品の横に、どの作品に登場したか、という説明と、まさにその本文が記入されたキャプションが付いています。
文章から想像できるものとはちょっと違っているのも、まさにそのとおりだわ、
というのもあって面白い。
何より面白いのは、簡潔でありながらしっかり的を得ている、一見そっけないような漱石自身の感想(=描写)をとおして、美術作品が見られることです。
◯◯が発表した△△の絵は〜だ、なんといった辛口の同時代評みたいなものまであるので、
こんなこと書いちゃって大丈夫?と、ひやひやします。
静岡駅から「しずてつ」に乗って行ったのですが、
窓越しの夏の緑を見ながらごとんごとんとゆっくり進む感じや、
道中の植木のあちこちに見事な蜘蛛の巣が張っていたりするのもいかにも風流です。
旅行をすると、目的の名所や美術品そのものよりも、
普段みおとしがちなちょっとした風景に心を奪われることも多い。
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